2017-01-01から1年間の記事一覧

2017年を振り返って

今年は仕事で関わっているプロダクトが大きな転換期を迎えて、様々な経験ができました。 ミドルウェアを自ら作り上げ、データをオンラインで移行し、運用を始めるというのはなかなか経験できないことだと思います。 サービスは以前より安定し、穏やかな年末…

Go言語のsyscall.Sysctlは最後のNULを落とす

Go

カーネルのパラメータを引いたり設定したりする時に便利なのが sysctl コマンドです。 $ sysctl kern.ostype kern.ostype: Darwin このコマンドのシステムコールをGo言語から叩いて、OSの種類を引いてみましょう。 func main() { ret, _ := syscall.Sysctl("…

Go言語のHTTPリクエストのレスポンスボディーとEOF

Go

Reader interface の Read 関数は、どのタイミングで io.EOF を返すのでしょうか。 まずは strings.Reader で見てみましょう。 package main import ( "fmt" "strings" ) func main() { r := strings.NewReader("example\n") for { var b [1]byte n, err := …

zshの標準エラー出力の色を赤くする

zsh

[追記]以下の方法は良くないようです。必ず、このエントリー最後の「stderredを使う」を参照してください[/追記] 最近stderrを赤くするように設定したら、コマンドの出力がかなり見やすくなりました。 設定はこんな感じに書いてます。 zmodload zsh/terminfo…

Serverlessconf Tokyo 2017で『サーバレスアーキテクチャによる時系列データベースの構築と監視』という発表してきました

先日開催されたServerlessconf Tokyo 2017にスピーカーとして参加しました。 2017.serverlessconf.tokyo Mackerelの今の時系列データベースは、マネージドサービスを組み合わせて作っています。 検証・実装・投入フェーズを終えて、運用・新機能開発フェーズ…

負荷を均すための『時間軸シャーディング』という考え方

ウェブアプリケーションを作っていると、負荷を分散させるために「タイミングをばらけさせる」場面に時々遭遇します。 データの更新、キャッシュのフラッシュ、バッチ処理など様々な問題で、同じ構造が見られます。 例えば、スマホアプリからバックグラウン…

Mackerelのプラグインを書く楽しみ ― Rustでプラグインを書くためのライブラリを作りました!

Mackerelは「エンジニアをワクワクさせる」ツールであることをサービスの大事な考え方の一つとして捉えています。 一体どういう場面でエンジニアはワクワクするのでしょうか。 簡単にインストールできるmackerel-agentや、直感的で触りやすい画面、チャット…

ptraceシステムコール入門 ― プロセスの出力を覗き見してみよう!

他のプロセスを中断せずに、その出力をミラーリングして新しくパイプで繋ぐ、そんなことはできるのでしょうか。 straceやgdbといったコマンドは一体どういう仕組みで動いているのでしょうか。 ptraceシステムコールを使い、プロセスが呼ぶシステムコールを調…

音量を調節できるCLIツールをGo言語で作りました!

Go

volumeコマンドを作りました。 音量の調整ってコマンドからどうやるんだろう、ポータブルな形でコマンドラインツールがあれば便利なのでは… と思ったので作りました。 macOSとUbuntuで動作確認をしています。 インストール go get github.com/itchyny/volume…

コマンドラインがさらに便利になるfillinコマンドを作りました!

Go

fillinというコマンドラインツールを作成しました。 コマンドの一部を変数化して、別の履歴に保存しておけるツールです。 ステージング環境と本番環境のように、同じコマンドで複数の環境を切り替えるのに便利です。 zshの本 (エッセンシャルソフトウェアガ…

Vimに自分の書いたパッチが取り込まれた!

Vim

Vim 8.0.0623に私の書いたパッチが取り込まれました。 わーい ∩(>◡<*)∩ わーい! もともとのきっかけは、自分のプラグインを開発している中で、[\u3000-\u4000]という正規表現に対する挙動がset re=1とset re=2で違うことに気がついたのです。 Vimは正規表…

lightline.vimのREADME.mdを書き直しました

Vim

lightline.vimはVimのステータスラインをいい感じにしてくれるプラグインです。 作って四年弱経つんですね。 おかげさまで多くのユーザーさまに使っていただいています。 itchyny.hatenablog.com github.com このREADME.mdを最近書き換えました。 ……… それだ…

Haskellで10を作るプログラムを書いてみたので動画で公開してみた

最近Rui Ueyamaさんがコーディング動画をアップされているのを見て、私も動画を撮りたくなりました。題材をしばらく考えていたんですが、10を作るプログラムを書いてみることにしました。 www.youtube.com 後から見直すと色々ミスっていて、わりと焦っている…

gitのファイル変更日時をファイルのアクセス日時に設定

普段使っているファイラーはファイルのアクセス日時でソートされるように設定しています。大きめのリポジトリをcloneしてコードを読む時に、意外とファイルの最終変更日時が参考になったりします。仕事で使うリポジトリや、定期的にpullしているなら、徐々に…

VimプラグインのTravis CIテストを複数のVimのバージョンで動かそう

Vimプラグインにテストがあるのはあたりまえ。 そういう空気になってきたのはここ3年くらいのことでしょうか。 私自身、昔はあまりテスト文化に慣れておらず、「Vimプラグインみたいな小さなスクリプトにテストなんているのか?自分のプラグインは普段から使…

円周率の16進数表現100億桁目を求めてみた! ― 円周率の世界記録をどのように検証するか ―

あなたは円周率を何桁言えますか。3.14159…という、あの数字です。 円周率の小数部分は無限に続き、循環することもありません。 古来より、数学者は円周率の値を様々な幾何学的な近似や公式を用いて計算してきました。 その桁数は計算機の発明により飛躍的に…

LLVM APIを使ってみよう! 〜 Brainf**kコンパイラをIRBuilderで書き直してみた 〜

先日LLVMの入門記事を書きました。 clangが吐くLLVM IR (Intermediate representation, 中間表現) を頼りに、Brainf**kのコンパイラを書いてみました。 itchyny.hatenablog.com この記事で書いたコードでは、直接printfでLLVM IRの命令を出力していました。 …

LLVMを始めよう! 〜 LLVM IRの基礎はclangが教えてくれた・Brainf**kコンパイラを作ってみよう 〜

コンパイラを作ってみたいと思っていても、アセンブリ言語はよくわからない。 パーサーみたいなコードは書いたことがあるけれど、コード生成の処理はさっぱりだ。 実行ファイルをバイナリエディターで見るとかなにそれ怖い。 そんな私なのですが、LLVMに興味…

二週間で簡単なインタープリタ言語を実装してみた (日記)

私は昔から言語処理系に興味があり、自分で言語を作ることを夢見てきました。 しかし、いざ言語を実装しようと思って言語処理系に関する本を読んでも何から手を付けていいか分からず、アセンブラもまともに読めないまま、数年が経ってしまいました。 大学時…