Serverlessconf Tokyo 2017で『サーバレスアーキテクチャによる時系列データベースの構築と監視』という発表してきました

先日開催されたServerlessconf Tokyo 2017にスピーカーとして参加しました。

2017.serverlessconf.tokyo

Mackerelの今の時系列データベースは、マネージドサービスを組み合わせて作っています。 検証・実装・投入フェーズを終えて、運用・新機能開発フェーズに入っています。そんな中で、監視サービスを提供する私たちが、サーバーレスアーキテクチャで作ったミドルウェアをどのように監視しているかについてお話しました。 何かしら役に立つことや発想の元となるようなことをお伝えできていたらいいなと思います。

私も他の発表から様々なことを学びました。特に面白かった発表を挙げておきます。

真のサーバレスアーキテクトとサーバレス時代のゲーム開発・運用

ゲーム開発を支えるBaaSを開発されるなかで得られた様々な知見についてお話されていました。 プッシュ通知のために大量のコネクションを張りたい場面でAWS IoTを用いるといった話はとてもおもしろいと思いました。 アクセス権限の話でLambdaのメモリーにキャッシュを持つという話をされていて、そんな手があるのかと驚きましたが、物理的な限界がありスケールしないので、使いどころ (というかヒット率に基づくキャッシュの削除) が難しいなと思いました。

サーバーレスについて語るときに僕の語ること

軽快な語り口と盛り上げ方はランチセッションにふさわしく、うまいなぁと思いました。 サーバーレスというのは文字通りだと枠としては大きすぎるんですよね。 スケーラビリティーやイベント駆動により処理を繋げるアーキテクチャも包含する言葉がほしいなぁという気持ちになりました。 よっしゃサーバーレスやとかいってサービスを選んだ時に、その用途が本当にそのサービスの適した使い方なのかどうかはきちんと考えるべきですよね。

Open source application and Ecosystem on Serverless Framework

なるほど確かに、こういう方向に進んでいくよねという気持ちになりました。 サーバーレスミドルウェアという言葉が面白かったです。聞いた瞬間、様々なものが繋がった気がしました。 マネージドサービスを組み合わせて作るという流れはおそらくこれからも続いていくと思いますし、それを組み合わせることで1つの「ミドルウェア」として機能するものを作るのはよくあることだと思います。 そういうサーバーレスミドルウェアは一発で立ち上がるべきだし、利用者が実装内部 (どういうマネージドサービスを使っているか) を気にする必要なく使えるようになっているのが理想の形。 こういうミドルウェアって再利用可能な形でシェアできるといいし、それらを組み合わせてサービスを構築できるとかっこよさそうですよね。 そう、docker-composeみたいなやつが欲しいですね (あるのかしら、まだよく知らないです)。

最後に

私は対外発表は初めてこともあり、とてもよい経験になりました。 慣れていなくてストーリーを組み立てるのに苦労したり、資料を作るのに時間がかかったりしましたが、なんとか終わって今は安堵しています。 E2E監視というところを抽象化して、系全体として動いているかを見るというところに落とし所を見つけられたのは、発表の前日でした。 私たちが作ったのは時系列データベースの「サーバーレスミドルウェア」なんですよね、こういうまとめて見た時の概念を思いついていなかったのは正直くやしい。 k1LoWさんには発表や質疑応答の中でもdiamondに触れていただいて、親近感がわきました。

マネージドサービスを組み合わせてサービスを作ることは、セキュリティの問題やスケーラビリティー、運用コストの削減など様々な問題を解決してくれると思います。 ただし、各マネージドサービスにはそれぞれ使いどころや苦手なユースケースがありますので、他の成功事例だけを見て盲目的にコンポーネントを選ぶのではなく、適した使い方をしているかどうかをきちんと吟味しましょうということですね。 こういうアーキテクチャーに乗ったサービス開発はどんどん加速していくと思いますので、私も技術的に置いていかれないように精進していきたいと思います。

主催の吉田さん、運営スタッフのみなさま、本当にありがとうございました。