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意外にも求められる定積分

雑記

問題です. 次の積分を求めなさい.
\int_{-\frac\pi 2}^{\frac\pi 2} \frac 1 {1 + (\cos x)^x} dx
とてもじゃないけど不定積分を求められそうにありません. だってcosのx乗ですよ?

仕方ないからWolframAlphaで確認しましょう → ここ
答えは\frac \pi 2ですね. グラフを見たら気がついた人もいると思います. そうです. この被積分関数(0, 0.5)に関して点対称なのです.

軽く解答例

被積分関数から0.5を引いた関数をh(x)とする.
h(x)= \frac 1 {1 + (\cos x)^x} - \frac 1 2 = \frac {1 - (\cos x)^x}{2 + 2 (\cos x)^x}
すると, この関数は奇関数である.
\begin{eqnarray}h(-x) &=& \frac {1 - (\cos (-x))^{-x}}{2 + 2 (\cos (-x))^{-x}} \\ &=& \frac {1 - (\cos x)^{-x}}{2 + 2 (\cos x)^{-x}} \\ &=& \frac {(\cos x)^{x} - 1}{2 (\cos x)^{x} + 2} \\ &=& - h (x) \end{eqnarray}
従って, 求める積分
\begin{eqnarray}\int_{-\frac\pi 2}^{\frac\pi 2} \frac 1 {1 + (\cos x)^x} dx &=& \int_{-\frac\pi 2}^{\frac\pi 2} \left(h(x) + \frac 1 2\right) dx \\&=& \int_{-\frac\pi 2}^{\frac\pi 2} \frac 1 2 dx \\&=& \frac \pi 2 \end{eqnarray}
である.

一般化, 具体例

もっと一般化した式を書きましょう. 次の等式が成立します.
\int_{-a}^a \frac {f_1(x)} {1 \pm (f_2(x))^{g(x)}} dx = \int_0^a f_1(x) dx
但し, f_1(x), f_2(x)は偶関数, g(x)は奇関数とします. 先程の例はf_1(x)=1, f_2(x)=\cos x, g(x)=xでした. ちょっとだけ証明しておきます.

\begin{eqnarray} \int_{-a}^a \frac {f_1(x)} {1 \pm (f_2(x))^{g(x)}} dx &=& \int_{-a}^0 \frac {f_1(x)} {1 \pm (f_2(x))^{g(x)}} dx + \int_0^a \frac {f_1(x)} {1 \pm (f_2(x))^{g(x)}} dx \\ &=& \int_{a}^0 \frac {f_1(-t)} {1 \pm (f_2(-t))^{g(-t)}} (-dt) + \int_0^a \frac {f_1(x)} {1 \pm (f_2(x))^{g(x)}} dx \\ &=& \int_0^a \frac {f_1(t)} {1 \pm (f_2(t))^{-g(t)}} dt + \int_0^a \frac {f_1(x)} {1 \pm (f_2(x))^{g(x)}} dx \\ &=& \int_0^a \frac {f_1(t)\left[\pm (f_2(t))^{g(t)} \right]} {\pm (f_2(t))^{g(t)} + 1} dt + \int_0^a \frac {f_1(x)} {1 \pm (f_2(x))^{g(x)}} dx \\ &=& \int_0^a {f_1(x)} dx \end{eqnarray}
区間を半分に割って, 左側を置換積分で右に倒す感じです. そんなに難しいものではありませんね.


この式に色々入れて遊んでみましょう.
\int_{-a}^a \frac{x^2}{1 + e^x} = \int_0^a x^2 dx = \frac{a^3} 3
f_1(x)=x^2, f_2(x)=e, g(x)=xとしてみました. なかなか, 知らなかったら難しいですね. 不定積分出せそうな感じがしますもん.

\int_{-1}^1 \frac{x^2}{1 + (1-x^2)^x} = \int_0^1 x^2 dx = \frac 1 3
\int_{-5}^5 \frac{x^4}{1 + (x^2)^{(x^3)}} = \int_0^5 x^4 dx = 625
\int_{-1}^1 \frac{1}{1 + |x|^x} = \int_0^1 dx = 1
\int_{-1}^1 \frac{|x|}{1 + |x|^x} = \int_0^1 |x| dx = \frac 1 2
いくらでも作れちゃいます.

\int_{0}^\pi \frac{\sin x}{1 + (\sin x)^{\cos x}} = \int_0^{\frac \pi 2} \cos x dx = 1
これは少し難しいですね. しかし, 軸を\pi/2だけずらしただけですよ.

\int_{-\pi}^\pi \frac{x\sin x}{1 + {\left(\frac {\sin x} x \right)}^x} dx = \int_0^\pi{x\sin x} dx = \pi
なかなか美しいでしょう? ここに挙げた中で, いくつかは広義積分になっています.

まとめ

単に置換積分しただけなのに, 非常に難しく見える定積分がいくらでも作れてしまいます. オモシロイデスネ〜♪

最後に問題を一つ出題させて頂きます. 難しいですよ〜
\int_{-\pi}^\pi\frac{\exp(\sin x+\cos x) \cos(\sin x)}{\exp(\sin x)+\exp x} dx